To be or not to be

好きなことを書き散らします

「そうめん」派ですか? 「冷や麦」派ですか?

 小学生の頃、静岡県に住んでいた。長野方向に遊びに行った帰りに、夕飯を食べたとき、2つの新しい食べ物に出会った。冷や麦とイナゴの佃煮だ。「冷や麦って何だろう?」と思いつつ頼んでみたら出てきたのは「そうめん」みたいなものだったが、食べてみたらそうめんよりも腰があって歯ごたえが良かった。以後、僕は冷や麦派になった(イナゴの佃煮も美味しくいただきました)。

 そうめんって、嫌いではないが、あまり好きな食べ物ではない。麵が細すぎるのだ。どこの家庭でも夏の休日の昼食はそうめんが出てくる率が高いのではないか。僕の実家もそうだったけど、今もそうめんがよく出てくる。でも、そうめんは細すぎて、なんか食体験として物足りない。「食べた」気がしないのだ。始末の悪いことに、そうめんは細いほど高級な物として有り難いことになっている。

 今日の昼も、奥さんが麵を茹でているので、「何を茹でているの?」と聞くと「そうめん」と答える。

「えー、僕は冷や麦が好きだといつも言ってるのに」

「冷や麦は、安売りにならないから、買わないの」とにべもない。

 まあ、食べ盛りの体育会系中学生男子を抱える我が家としては、コストパフォーマンスが非常に重要なことはわかるのだが。

 ところが出てきたのは、そうめんではなかった。かなり太い。

「これ、そうめんじゃないでしょ?」

「うどんだって」

 さっき、「そうめん」って言っていたじゃん。アバウトだなあ。とはいえOK、OK。うどんは太いから好きなのだ。

 NIKKEI STYLEの“「そうめん」と「冷や麦」、違いは何なのか"という記事によると、JAS規格では、長径1.3mm未満が「そうめん」、1.3mm以上、1.7mm未満が「冷や麦」、1.7mm以上が「うどん」、幅4.5mm以上で厚さ2mm未満が「きしめん」なのだそうだ。個人的にはそうめんの細いのが不満足なだけだから、太くて歯ごたえがあれば冷や麦でもうどんでもきしめんでもOKなのだ。

style.nikkei.com

 

 ちなみにパスタにも、スパゲッティーニやカッペリーニという細麺があるが、これは実は好きだ。パスタはトマトソースや唐辛子とガーリックのオイルなどしっかりしたソースに絡めるから、麵が細くても食べ応えがないということがない。そうめんが柔らかく茹でるのに対し、パスタはアルデンテで歯ごたえを残すという違いもある。

 そうめんや冷や麦派は、麵つゆがあっさりしているから、麵の実力がより食感を左右する。食べることになると「味」や「香り」が話題の中心になりがちがけど、僕は「歯ごたえ」も凄く大事だと思っている。咀嚼の快感こそ、生きる喜びだと思うのだ(大袈裟)。