To be or not to be

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技術書専門の同人誌即売会「技術書典」に行ってきました

 2016年6月25日(土)、秋葉原の通運会館で開催された、「技術書典」という同人誌即売会に行ってきました。Androidの技術情報の同人誌を作ったり、イベントを開催している同人サークルTechboosterと、IT技術書の電子書籍を販売している達人出版会が主催して開催した初のイベントでした。

 イベント自体は初開催にも関わらず大盛況で、出展希望も多くて当初予定していた2階の会場だけでは足らず、地下1階の会場も借りての開催となりました。

 入場者もすごい数で、入場開始時刻には300人以上の行列ができて、最大で1時間半以上の入場待ちとなり、最終的には1300人以上が訪れた(サークル参加者を入れると1400人以上)とのことです。

 また、秋葉原で技術書のイベントということもあって、懐かしい人もたくさん来ていてお会いできました。月刊アスキー時代の編集長で、現在は角川アスキー総研の主席研究員の遠藤諭さん、元スーパーアスキー編集部、元月刊Linux Japan編集長で現在は「tech@サイボウズ式」編集部風穴江さん、工学社月刊I/O編集長の藤井創さんなどなど。

 僕は今回は仕事で企業出展で参加したのですが、空き時間に会場を回って面白そうな同人誌をいくつかゲットしてきました。

 

『TensorFlow はじめました CIFAR-10奮闘記』1,000円

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 Googleオープンソースで公開している機械学習フレームワーク「TensorFlow」の入門書です。プログラミング言語Python」を使って、画像を読み込ませ、何の画像か推論させ結果を学習させる基本的な方法が解説されています。

 

『Rasbery Pi3 周辺回路接続 検証読本 vol.1』100円

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  超低価格でさまざまな機器の制御に使えるワンボードコンピュータとして大人気の「Rasbery Pi」(ラズベリーパイ)に、マイクロソフトが無償で提供しているOS「Windows 10 IoT」と開発環境「Visual Studio Community」をインストールし、時刻情報(RTC)、加速度センサ、モータードライバなどと通信する基本を紹介した本です。

 「興味あるけど、初心者には無理ですよね?」と聞いたら、著者の方が「僕はラズパイ買って一カ月ちょっとで書きました」というので、買ってみました。時間を作って挑戦してみたいです。

 おまけで、コーヒーの入れ方読本『人類の悩みの9割がコーヒーで解決できたらいいのにね。』もいただきました。表紙と中のイラストが可愛いです。

 

『Crystalの本』1,500円

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 Rubyによく似た文法を持つコンパイラプログラミング言語「Crystal」の解説書です。コンパイラ型なので実行が速いとか、インタプリタのインストールを必要としないだけでなく、変数の型が静的であるとか、オーバーロードとかRubyとは異なる特徴があって、そこが魅力なのだと力説され、Rubyあんまり得意じゃないけど買っちゃいました。ちなみに、著者は某ベンチャー企業のCTOさんでした。

 

『レジプラができるまで』100円

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 スマホレジスターにして、同人誌即売会での金額計算を便利にしてしまおう

!という「レジプラ」の開発記です。レジプラを試しに触らせてもらいましたが、買いたい商品を複数選んで、ボタンを押すと合計が出る。非常にシンプルで良かったです。

 レププラのキットじたいも4,500円で販売していました。スマホは現在はiPhoneしか対応していないそうですが、一応Androidにも対応したいみたいです。

 おせんべいもいただきました。

 

量子コンピュータのシミュレータを使ってみる本』ほか(購入できず)

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 残念ながら、気がついたときには完売で買えなかった、量子コンピュータ本。左から右に向かって、だんだん難しくなり、一番右の「Effective 量子コンピュータ」は最初から最後まで、なにひとつ理解できませんでした…。 

「いまのところ実用には役立ちませんから」と言われたのですが、同じコンピュータと言ってもまったく理解できないものが、今後世の中で使われていくんだなあ、と自分が超時代遅れになる危機感というか恐怖をぼんやりと感じました。

 

『DevLOVE PUB』EPUBダウンロード販売。全部まとめて1,000円

 

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 地下一階で遭遇。コピー誌なのかな? と思ったら並んでいるのは見本で、EPUBダウンロード販売でした。「知識ゼロからの機械学習サービス攻略法」と「GitHub型エディタAtomで日本語 執筆・編集環境を整備する」という記事に惹かれて購入。買うとDLコードが書かれた紙をくれました。

 

『まんがでわかるLinux シス管系女子』

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 企業系ブースで販売されていたLinuxコマンドの入門書。お試し版をコピーで配っていましたが、漫画+解説文ではなく、なんと全編漫画だけで、Linuxの各種コマンドの使用法を解説しています。日経Linuxで連載しているほか、Twitterでも発信しているそうです。左が著者のPiroさん。電子書籍版もあるそうです。

 

『The Art of Computer Programing』ほか(アスキードワンゴブース)

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 元同じアスキーでご一緒だった、アスキードワンゴの鈴木編集長(左)と編集部の星野さん。

『The Art of Computer Programing』は、ドナルド・クヌースの名著として有名ですが、僕も読んだことはなくて、こんな大著だったとは! 鈴木編集長に「バーベル代わりになるので買って!」と言われたのですが、中身がかなり数学寄りなので、文系プログラマの僕にはまったく歯が立たない内容でした。2巻は乱数のアルゴリズムが主題になっていて、現在のC++のライブラリもこの2巻の中身がほぼそのまま実装されているそうです。

 ちなみに、3冊まとめて買って行った猛者の人もいました。

 

『できる電子書籍』(無料配布)

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 BOOK☆WALERでは、電子書籍の作り方と販売方法を解説した『できる電子書籍』を無料で配布していました。

 

 今回、非常に大盛況だった技術書典。「次回は、もっと大きな会場」という声もすでに出ていましたが、この手のオンリーイベントは夏と冬のコミケの合間に挟んでやるものだそうで、夏と冬は間が短いので、次にやるとしたら「冬コミのあとになるだろう」とのことでした。ほかにも面白そうな出展がいっぱいあったので(ウーパールーパー本とか)、次回もぜひやっていただきたいです。

 関係者のみなさま、お疲れ様でした!