企業の電話受付をAI化すると、世の中少し変わるんじゃないか説
■「批判が殺到」って何人くらい?
資生堂のCMが放映中止になったことが話題になっていますね。
女友達から誕生日に「25歳からは女の子じゃない」と言われるCMに対して、「差別的」「セクハラ」「不快」などという苦情が殺到し、ついに資生堂が放送中止を決めた、という話です。
これに対して、僕の周辺(SNS)では、「どこがセクハラなのか?」「企業側も毅然とした態度でクレームをはね除けるべき」みたいな意見が目立ちました。まあ、僕の回りは、僕と同世代のおじさんが多いので、普遍的な意見ではないかもしれませんが。
このCMの是非はここでは論じませんが、企業がちょっとでも刺激的なCMや広告を展開すると、とたんに「批判が殺到」して、放映中止になってしまう例が後を絶ちません。
また、テレビ番組も当たり障りのないものばかりになって、「最近テレビがつまらない」と言われるのも、批判に潰されることを怖れてのことだと言われています。
こういった事象について、多くの人がうっすらと共有している問題があると思います。
それは「たいした問題じゃないのに、一部の声の大きい人達の意見ばかりがゴリ押しされているんじゃないか?」ということです。
「苦情が殺到する」とよく紋切り型でニュースは報じますが、それはいったい何件のことなのか? 10件? 100件? ちなみにテレビの視聴率で1%は100万人相当とされています。仮に1000人が苦情を申し立てたとしても、0.001%にしか過ぎません。
しかし、企業からすると、たとえ十数人(0.0000n%)からの苦情だとしても受け入れざるを得ないのではないでしょうか。なぜかというと、十数人が一斉に企業にクレームの電話を入れると、それだけで企業の電話はパンクし、内部は対応に追われて通常の業務ができなくなってしまうからです。
タダでさえ忙しい一流メーカーやテレビ局で働く人達にとって、わずか十数件だとしても、それは日常の仕事と生活を脅かすテロとなりうるでしょう。
■電話がウイークポイントになっている
いっぽうで電話を使って企業を攻撃する人は、なんらかの理由で時間に余裕があるのはずです。時間に余裕がある人が、時間に余裕の無い忙しい人達の時間をさらに奪うというテロを通して、自分たちの意志や希望を社会に無理矢理押しつけている。そんな事象がだんだんと広まっている気がします。
ちなみに「時間に余裕のある人」とはどんな人達なのか? すぐに「ニート」と思い浮かべてしまうかもしれませんが、自分たちの信じる社会正義を実行するために、すべての家事を放り出して(もしくは、巧みに調整して)、情報収集や攻撃に時間を費やす主婦達の話を読んだことがあります。
また、「俺はNTTの職員なので、何時間でもクレーム電話を続けることができる。だからクレームのお詫びにタダでソフトを送れ」と恐喝まがいの電話かけてくる人もいたようです。これは昔、実際に某社のユーザーサポートを電話で代行して受けているサポセン(サポートセンター)の人達から聞いた話です。いまはもう、そんなにノンビリした職場は地方のNTTにもないかもしれませんが。
■電話攻撃から仕事の現場を守るために
なんでこんなことになるかと言えば、いまだに電話という150年も前に生まれた古い技術に頼って仕事をしているからだと思うのです。電話という、集中攻撃に弱く、受け手にダイレクトに影響を及ぼす通信手段に頼る限り、「電凸」(電話による突撃)と呼ばれる簡易テロを防ぐことはできないでしょう。
そこで提案ですが、基本的に企業の受付電話や、代表電話の対応はすべてAIで受け答えするような技術を開発できないでしょうか?
人間と完全に自由に会話し、柔軟に対応するAIの開発は大変でしょう。しかし、電話の応対に特化したAIなら開発可能な気がします。
1. 電話をとる「はい、xxxxです。」
2. 用件を聞く。
3.-1【電話の取り次ぎの場合】
3-1-1. 具体的な名前が出れば、その人の内線に転送する。
3-1-2.転送して出なければ、用件を聞いてテキスト化して担当者に送る。
3-2 【一般的な問い合わせやクレームの場合】
3-2-1. 用件と連絡先を聞いて、「あとで折り返す」と返答する。
3-2-2. 社内のサポート管理掲示板に起票する。人間があとからそれをチェックして対応する。
これくらいだったら作れそうな気がするんですが、どうでしょう?
残りの問題のは、クレーム電話で回線がふさがってしまうことですね。
これについては、外部向けの連絡先はすべてLINEやSkypeにするか、逆に固定電話は外部からの問い合わせ専用にして、業務はLINEやSkypeで行うようにすればいいと思います。
以上、思いつきでちょっとアイデアを書いてみました。
どこかのAI関連ベンチャーで実現してくれたら嬉しいです。
(すでにあったりして…)