To be or not to be

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映画館の飲み物がちょっと高いなと思う件

 最近、109シネマズ二子玉川に行くと、「他店で購入された飲食物の持ち込みはご遠慮ください」というアナウンスを頻繁に聞くようになった。前はこんなことはなかったと思う。

  元々、昔の映画館では、飲み物やお菓子をどこで買おうが煩いことは言われなかった。なんでかと言えば、みんな映画館の売店で買って、外から持ち込むことも少なかったからだ。その理由は3つある。

  1. 映画館で買うほうが便利だから。
  2. 映画館で買っても割高では無かったから。
  3. 映画館で買うことじたいが楽しみだったから。

  映画館の売店で買い食いするって、銭湯でコーヒー牛乳やフルーツ牛乳を買って腰に手を当てて一気飲みするのと同じくらい、誰にとっても「密かな楽しみ」だったと思う。凄く昔は普通の駄菓子とかアイスとかサンドイッチくらいしかなかったと思う。

 ポップコーンとハーゲンダッツのアイスが買えるようになったのは、どちらが先だったのだろう? そんなにお腹が空いて無くてもつい買ってしまった。楽しかったからだ。

  でも、今はその楽しさが少しずつスポイルされて、映画館の売店で買うのが億劫になっている。その理由も3つある。

  1. 映画館で買わなくても、コンビニや売店があちこちにある。
    持ち歩きに便利なペットボトルその他も発明された。
  2. 映画館で買うと、とにかく割高。一番小さいサイズの飲み物が300円もする。
    ちょっとのどを潤したいだけなら130円のペットボトルで良いはず。
  3. 映画館で買うのが面倒。
    休日の売店は大混雑で長蛇の列ができ、上映に間に合わないのじゃないかとヒヤヒヤ。メニューも増えて選ぶのが面倒になった反面、ちょいゴージャスを装ったスイーツとか食べてみると値段の割にたいしたことなかったり。

  とはいえ、さすがに自分は外で買って持ち込んではいないが、過日、エグゼクティブシートの隣の席の若い女性が、いかにも持ち込みましたというお菓子とペットボトルを上映前の時間にボリボリ、グイグイしてて、マナー違反に呆れるというよりは、気持ちわかるなあ、と思ってしまった。

 たぶん、彼女はこの映画館のヘビーユーザーなんだと思う。エグゼクティブシートは、常連用のポイントカードを持っていれば通常価格で買える。態度もすごくくつろいでいて自分の部屋みたいだったから、何度も来ているのだろう。そして上映中はまったく音を立てなかったから、真摯に映画を見ているはず。そういうヘビーユーザーはチケット代を使う分、ほかの経費を抑えるために、コンビニでお菓子やペットボトルを買って持ち込んじゃうのだろう。ちなみに、二子玉川駅から109シネマズに間には、謀ったかのようにコンビニがない。

  サービス産業として、利益率をあげるために客単価を上げたい。そのために売店の売上を増やしたい。そこまではわかる。でも、そのために売店のメニューを高くして、持ち込みさせないアナウンスをするのは違うと思う。

 サービス産業なのだから、あくまでおもてなしに徹して、お客に気持ち良くお金を払わせる努力をするべき。そのためにはメニューの価格構成を柔軟にするべきだし、休日に売店が混み合うときは、スクリーンまで売り子を派遣するとかすればいい。10年前はハーゲンダッツのアイスを売りに来てくれて、あれは嬉しかった。

  たぶん、たまに映画館に来る人には、まだ売店で買うのを密かな楽しみにしている人が大勢いると思う。その人達が常連化したときにも、売店で気持ち良くお金を落とせるようにしてほしいと思う。