To be or not to be

好きなことを書き散らします

武藤彩未『前夜祭ライブ 〜平成ラストバースデーライブ〜』

昨夜は渋谷WWW Xで、武藤彩未さんのライブに行ってきました。ギター、ベース、ドラム、キーボードの4ピースのバックバンド、それもキーホードは、中島みゆきのバンマスなどを勤める大御所の小林信吾さんが担当するという、贅沢な編成。オリジナル曲のほか、平成初期の90s J-popもセトリに入るという、聞き応えのある楽しいライブでした。

 

www-shibuya.jp

 

大手芸能事務所アミューズの秘蔵っ子だった武藤彩未さんは、2013年にソロアイドルとしてデビューして、端から見れば決して悪くないポジションにあったと思うのですが、2015年12月に、「自分の中に確信がなければ、これから歌を続けていくことはできない」と突然活動休止を宣言して、まるで武者修行に赴くがごとくニュージーランドに留学し、アミューズとの契約も解除してしまったのでした。

その後、ときどきYouTubeに歌を投稿してはいましたが、昨年末に3年ぶりに活動再開を宣言。それを待っていたファンは少なくなく小さなライブハウス公演は凄い競争率で、今回、キャパ500の少し大きめの箱になってようやくチケットが当たって行くことができました。

3年半ぶりに見た、武藤彩未さんは、あの頃の「私売れなくては、頑張らなくては!」という肩の力が抜けて、リラックスして聴けるとても素敵な歌手になっていました。

彼女は、小学生時代は、マンガ雑誌「ちゃお」のCMキャラクターを何年も務めていて、いまの20代女性の憧れの存在だったようです。その後、アニメ『絶対可憐チルドレン』の主題歌を歌うユニット「可憐Girls」や、成長期限定ユニット「さくら学院」の初代生徒会長に抜擢されて、キッズタレントのトップランナーとして走り続けていました。

ある意味、ずっとお手本でなければならなかった優等生アイドルが、優等生であるがゆえにがんじがらめになってしまっていた。それを一旦リセットして、もう1度、自分が好きなことを、自分の力で、自分の仕事にする。

それを20代のはじめにやってのけたことが凄いなと思うし、大袈裟に言うと、これからの日本人の生き方のひとつのお手本を示してくれたのではないかと、思っています。

武藤彩未さんや飯田來麗さんのように、アミューズを辞めて個人で頑張るさくら学院卒業生が増えることは、手塩にかけて育てたアミューズにとっては残念なことでしょうが、大手事務所の庇護がなくても歌手や女優として活躍できることを示せたことは、「学校」としてのさくら学院の教育が間違っていなかったことの証明となったし、跡に続く後輩たちの誇りと希望になることと思います。

 

f:id:tomoyu-n:20190521043954j:plain