To be or not to be

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「バラモン左翼 VS 商人右翼」

ピケティの「バラモン左翼 VS 商人右翼」という論文が話題になってるみたいですね。

インドのカースト制度では、知識層のバラモン(僧侶)と、力のあるバイシャ(軍人)、シュードラ(商人)が社会の上位を占めている。

それと同じように現代の政治も、高学歴エリートが支持する左翼と、ビジネスエリートが支持する右翼に二分されて、低学歴&低所得者を代表する政党がなく、そのため第三局としてポピュリズムに支持が集まる。米国のトランプ、ロシアのプーチン、英国のブレグジットも、そういう文脈から出てきたものなのだと。

高学歴エリート知識層の興味は、ほかの社会問題よりも、「汚職」に向きがちだということで、"アベガー"の人達の行動原理がちょっとわかった気がしました。

いまの日本の不幸は、政治の中心にいる人達が、学生時代に社会と理科と文学を軽視してきた人達ばかりに見えることじゃないかと思っています。

みんな、学校のテストで良い点をとったり、お金儲けは上手なんだろうけど、歴史や文化や経済や社会心理学には興味がない人達が、狭い知見の中からの思いつきでものを言っているから、どんどんと混沌が進んでしまう。

ときどき思うのは、「誰もが政治家になれる」「投票できる」という現代の平等システムが、実は間違っているんじゃないかと。

ハインラインの『宇宙の戦士』に平等な選挙権制度の愚かさをついた一節がありました。「愚かな大人が、賢い15歳よりも懸命な投票ができるのか」みたいな(ウロ覚え)。

先週末の投票に行きましたが、候補者の公約を見比べてみても、ほとんどが利益誘導や階層の利権代表みたいな話ばかりで、日本の未来を真剣に見据えたものはほとんどありませんでした。誰も、日本の未来なんか気にしていないんでしょうね。

いっそ、選挙権も被選挙権も、歴史と経済と科学と文学の試験を行って、合格者だけその権利を得るようにすれば、もうちょっとまともな政治が行われるんじゃないですかね?

あ、でも僕は試験苦手なので、合格できないかも。