To be or not to be

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「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」「同・破」

 

なんかアニメづいて「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」「同・破」を鑑賞。今月いっぱい無料で観られるそうで。
久しぶりに観ると、本当に面白いし、「ヤシマ作戦」はシン・ゴジラの原点ですね。
それにしても、よくできたリメイクだなと。一世を風靡したTVシリーズは、青春の孤独感と承認欲求を赤裸々に描くことでオタクたちに現実を突きつけて、そのヒリヒリした感じを楽しむみたいな、ある意味でファーストガンダムの焼き直しみたいな部分があったと思うんです。
で、ガンダムが最後に救いを提示したのに対して、エヴァイデオンに向かってしまった。(庵野秀明イデオン大好きなのは知られた話ですが)。
でも、このリメイク版映画では、同じ場所から出発して正反対の方向に行こうとしている気がします。ふれ合おうとして、すれ違って傷つけてしまう人間同士なんだけど、それをお互いの命を投げ出す献身で乗り越える姿を描くことで、庵野秀明は人は信じ合えるんだと示したかったのかなと。
このあと「Q」でまた人間不信が再度提示されたらしいのだけど(全然覚えてない)、たぶん2020年公開の完結編では、再度、信じ合える絆を描く方向に行くんじゃないかなあ。

 

TVシリーズでは綾波レイの「たぶん、私は3人目だから」というセリフがひとつの衝撃ポイントであり、作品の虚無感をよく表していたと思うのですが、「新劇場版:破」ではシンジが全力でそれを否定して運命を覆そうとする。虚無と正反対の献身的な愛の表現は、作家の人間的な成長の証なのかな、と。