To be or not to be

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10代はニコニコ動画を見ないって本当?

  なんか、こんなニュースやまとめが話題になっていますが、どうなんでしょう。

 

news.line.me

 

togetter.com

 

 「10代の若者のニコ動離れ」みたいな話ですが、何かの統計データとかじゃなくて、ある人が個人的に知り合いの10代から「ニコニコ観ないです。なんかダサいじゃないですか。デザインとかやってる人たちとか」って言われたというだけの話

 その小さな個人的なエピソードが、まるで世の中を代表したエピソードであるかのように広まっていく不思議。

 

 ちなみに、僕の中学生の姪っ子は完全にニコ厨です。学校のパソコンクラブでずっと東方の動画を見ているそうです。家でも、親になんと言われても隠れてスマホで見ているらしい。んでもって、「リア充爆発しろ」とかリアルに発言しちゃう。その弟の小学生はゲーム実況を見まくっています。

 先日も、ニコニコ超会議に仕事も兼ねて行ってきましたが、そこにはニコ厨らしき10代の子がいっぱい来ていました。イベントの主役は彼らだったと思います。20代や30代、僕みたいにもっと上の人達もいましたが全体的には若い人達のイベントでした。僕が15時前くらいに引き上げようと幕張の駅に向かっている間も制服着た女子高生が入口に向かっているのと何人もすれ違いました。

 

 もちろん、ニコニコ動画を見ない10代もいる。僕の娘も中学生で、りりりちゃんや足太ぺんたちゃんなど、ニコ動の踊り手さんにずっぽりハマっていますが、なぜかニコ動で見ないでYouTubeで見ている。「アカウント作ればいいじゃん」と言ったのですが、「いや、いいや」と作らない。YouTubeは作らなくても見られるのに、なんでアカウントをわざわざ作んなきゃいけないのか、と思っているのかも。ひとつ上の姪っ子にニコ動の面白さをまくしたてられても「何を言っているのか、よくわからない」と。姪っ子は無料アカウントなので、ニコ生見てても、優先権のある有料アカウントが増えると追い出される。それもバーチャルにリアルを持ち込む体験として姪は面白がっているけど、SF的な感性があまりない娘には理解できないみたい。

 

 ニコ動というのは、そもそも万人向けのプラットフォームじゃなくて、マンガ・アニメ・ゲームが好きで2chが好きだったり、厨二病の傾向があってリア充を敵視するような人達のための場所なんだと思う。ただ、ニコ動で生まれるコンテンツや文化は、ニコ動の外にいる人達にもYouTubeを通じて届き、支持されている。

 この前のGW中に、姪と甥と娘を連れてカラオケに行ったのだけど、姪と娘は歌ったり聞いたりする音楽についてはかなり共通していて、ハニワ(HoneyWorks)とか、40mPとかニコ動を拠点とするボカロP出身作家たちの曲を一緒に歌っていた。娘は小学校までは、ボカロは全然聞かなかったのだけど、中学に入って同級生の影響で聞くようになったみたい。YouTubeでたまたま出会ったりりりちゃんをきっかけに、彼女がダンスのBGMに使っている楽曲を追うことでボカロ曲を知ったというのもあるみたいだけど。

 つまり、ニコ厨の子もそうでない子も、似たようなコンテンツを違うプラットフォームで触れて楽しんでいるわけで、それはもう好みの違いとしか思えない。

 

 今回の「10代はニコニコ動画見ない」という根拠のない話がなぜ広がったのかというと、「ニコニコ動画はもう終わり」と言いたい、思いたい人がそう言っているだけの話なのだと思う。人は自分が見たい情報しか受け入れないし発信しない。「ニコ動はオワコン」と言う人は、ニコ動を熱心に見たことがない人や、昔見たけど、最近は見なくなった人達なんじゃないか。

 というか、みんな一世を風靡したものは、いつかは廃れて欲しいと願っている。その願望が表出しただけの話なんじゃないかと思います。