To be or not to be

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BABYMETALに続いて、さくら学院も逆輸入でブレイク?

 海外のAP(Alternative Press)という雑誌のWebサイトに、さくら学院の紹介記事が掲載された。「Here’s the band Babymetal were in before they were Babymetal」つまり、「BABYMETALがBABYMETALになる前のバンドがここにあるよ」というタイトルで、SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALがかつて所属していたさくら学院の特徴について、簡潔だがそこそこ詳しく紹介されている。

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 記事で紹介されているのは、さくら学院には10歳から15歳の少女たちが所属していること。中学卒業と同時にグループを離れなければならないこと。BABYMETALの3人全員がさくら学院の卒業生であること。そして、音楽的にはMETAL的要素は皆無であるとして、その例としてSU-METAL=中元すず香が生徒会長時代のシングル曲『Song for Smiling』のMVを紹介している。

 さらに記事のコメント欄では、さくら学院は芸能人を育成する学校であるとか、記事がメタルとの音楽的な対称性を強調しているのに対して、さくら学院の他の楽曲はロック要素が強かったり実験的な曲もあるとか、日本人じゃない人達が熱心に情報を補足していたりする。

 また、上記の記事とほぼ同時期に「MOSH」というメタル専門の音楽ニュースサイトでも、BABYMETALのオリジンとしてさくら学院が紹介された。内容はAPの記事とほぼ同じで、違いは紹介されているさくら学院のMVがMOAMETAL=菊地最愛が生徒会長時代の『ハートの地球』になっていることぐらいだ。

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 日本国内では、一部の専門誌を除いてはBABYMETALについてすら、ほとんど取材をしていない、いい加減な憶測記事ばかりで、さくら学院のこともほとんど報道されないのと比べると、対照的な事象に思える。日本のマスコミの女性アイドルに対する興味の大半はAKBと乃木坂にあり、あとは、ももクロモーニング娘。にわずかに注意が払われる程度だ。その理由は、単純にお金になりやすいから(=視聴率、販売部数、PV数につながりやすいから)ということだと思う。メディアの側は、そもそもアイドルなんてどうでもよくて、数字がとれるならまじめに扱うし、数字になるかどうかが未知数なら、適当に扱う。

 海外もメディア側の事情は同じだと思う。海外では、昨年からBABYMETALの知名度が高くなっているから、BABYMETALはメディアにとりあげられやすいし、その周辺情報として、さくら学院もとりあげられるようになってきたのだろう。

 

 ただ海外におけるBABYMETALは、キワモノだとするマイナスの評価を、音楽的にもパフォーマンス的にも質の高さを評価するプラスの評価が上回っているように見える。BABYMETALを経由してさくら学院にハマった海外父兄のコメントをYouTubeRedditで見ていても、クオリティの高さを賞賛する声が多い。単にkawaiiだけでない魅力があるという評価が、海外から日本に逆流すれば、BABYMETALとさくら学院の扱いが、日本国内でも変わってくるかもしれない。

 それは今はただの妄想だが、BABYMETALが、ワールドツアーを3度に渡って成功させ、凱旋公演を東京ドーム2Daysで行うというのも、2年半前は妄想だった。世の中、何が起こるかわからない。もちろん、さくら学院がBABYMETAL人気に頼らずに、独力で人気グループになる可能性だってある。6代目生徒会長・倉島颯良のCM出演など、最近のアミューズの積極的な展開を見ると、ようやく本気でさくら学院を売ろうとし始めたようにも見える。

 2年後はまた、大きく状況が変わっているかもしれない。