To be or not to be

好きなことを書き散らします

ミュージカルは、なんで突然歌い出すのか問題

ミュージカルは、なんで突然歌い出すのか問題について。

イドルの中でも歌が好きな子たちは、けっこう唐突に歌いだすようなので、実は日常にまったくないことでは、ないのかもしれない。ももクロの子たちは、雑誌の取材中に突然歌い出す様子が書かれていたし、さくら学院の子たちも、練習の合間や歩きながら歌い出す子がいると。ひとりが歌いだすと、もう一人が別の歌を歌い出して被せる、というエピソードを聞くと、まんまミュージカルの世界に生きているんじゃなかろかと。

(5月8日追記。TV番組『ももクロChan』を観ていたら、ももクロ玉井詩織さんが、「道を歩きながら大きな声で歌っていたら、知らない人に怒られた」と言ってて、23歳にもなって、まだ歌っているんかい!と。こういう人は一生歌い続けるんでしょうね。)

さくら学院「The Road to Graduation 2018 Final ~さくら学院 2018年度 卒業~」

この週末は土曜日に神奈川県民ホール大ホールで、"成長期限定ユニット" 『さくら学院』の2018年度卒業式ライブに参列。日曜日は新宿バルト9で、同卒業式のライブビューイング(LV)を鑑賞してきました。
 卒業式はJK1の娘と行きましたが、競争率が高くて、もはや連番で席はとれないので別々の離れた席に。そのひとつが7列目という神席! 5列目までは「貴賓席」というSチケットなので、超ラッキーなのですが、僕は火曜日に渋谷O-EASTのラスト・スタンディングでほぼ最前で見たので、娘に譲って、後方26列目から鑑賞しました。
 表情が微妙にわかるかという距離でしたが、逆にさくら学院ならでは、美しく高度なフォーメイションと豪華な舞台セットや照明も含めて楽しんできました。
 昨夜のLVで左隣が外国人の5人組で、隣の彼に聞くと、今回の卒業式のために、イングランドからやってきたと。
 彼は中3で卒業する麻生真彩のファンだそうで、ライブ中盤ぐらいから、舞台上で"泣き虫"の真彩も泣きながら歌っていましたが、隣の彼もずっと涙を拭い続けていました。
 TwitterのTLを見ていると、毎年メキシコから卒業式に駆けつけるファンもいるそうで、今年は卒業式や関連イベントでも沢山の外国人をみかけました。さくら学院は、3月の最終週に卒業関連のイベントラッシュがあるので、それに合わせて来日するファンが年々増えているようです。
 一方で娘と同じくらいの若い女の子のファンも増えました。さくら学院は少女漫画雑誌の『ちゃお』と関連が深いので、「ちゃおファンがバイトできる年齢になって、自力でライブに来られるようになったのでは」というのが娘の分析。
 今のさくら学院は、マスの露出をあまり積極的にやらないので、「新規が増えない」と心配するファンの声をよく聞きます。しかし、観客の心を満たす質の高いライブを積み重ねることによって、アイドルファンのオジさん層ではない、広い層の観客を少しずつ獲得していく今のやり方こそ、ガチの「学校」であり「育成機関」でもあるさくら学院らしくていいのではないかなと、改めて思いました。

 

natalie.mu

さくら学院「The Road to Graduation 2018 ~Happy Valentine~」

先週末、というか連休の最終日に「さくら学院」のバレンタインライブを赤坂BLITZで昼夜2公演見てきました。例年以上にクオリティの高い、大人顔負けの歌とダンスを堪能し、「父兄」と呼ばれるファン仲間で終電近くまで赤坂の居酒屋で飲み明かし、語り明かしました。

さくら学院は12人の小中学生からなるアイドルグループですが、毎年3月末に最上級生の中3メンバーが卒業します。

限られた時間の中で、中3メンバーが自分たちらしく完全燃焼する姿を、まるでアイドル版のプロジェクトX情熱大陸のような感動ドキュメンタリーを見るかのように、1年間かけて応援するというのが、さくら学院の醍醐味です。

また同時に、小5、小6で(ときには中学から)入った子供たちが、心と身体を成長させて立派なプロのエンターテイナーに育つ課程を見て楽しむという、面もあります。

メンバーはみな超が付くほどの負けず嫌いたち。その子らが、ローティーンからミドルティーンならではの純真さから、毎年「最高のさくら学院」を作るべく、強い思いを持って、全力で歌い、踊る。その姿が見る僕らの心を強く揺さぶるのです。

 

natalie.mu

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」「同・破」

 

なんかアニメづいて「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」「同・破」を鑑賞。今月いっぱい無料で観られるそうで。
久しぶりに観ると、本当に面白いし、「ヤシマ作戦」はシン・ゴジラの原点ですね。
それにしても、よくできたリメイクだなと。一世を風靡したTVシリーズは、青春の孤独感と承認欲求を赤裸々に描くことでオタクたちに現実を突きつけて、そのヒリヒリした感じを楽しむみたいな、ある意味でファーストガンダムの焼き直しみたいな部分があったと思うんです。
で、ガンダムが最後に救いを提示したのに対して、エヴァイデオンに向かってしまった。(庵野秀明イデオン大好きなのは知られた話ですが)。
でも、このリメイク版映画では、同じ場所から出発して正反対の方向に行こうとしている気がします。ふれ合おうとして、すれ違って傷つけてしまう人間同士なんだけど、それをお互いの命を投げ出す献身で乗り越える姿を描くことで、庵野秀明は人は信じ合えるんだと示したかったのかなと。
このあと「Q」でまた人間不信が再度提示されたらしいのだけど(全然覚えてない)、たぶん2020年公開の完結編では、再度、信じ合える絆を描く方向に行くんじゃないかなあ。

 

TVシリーズでは綾波レイの「たぶん、私は3人目だから」というセリフがひとつの衝撃ポイントであり、作品の虚無感をよく表していたと思うのですが、「新劇場版:破」ではシンジが全力でそれを否定して運命を覆そうとする。虚無と正反対の献身的な愛の表現は、作家の人間的な成長の証なのかな、と。

 

 

「戦艦ポチョムキン」と「ストライキ」

今日は5年ぶりに映画コミュニティ「映画を語ろう」のみなさんと映画鑑賞会。早稲田松竹で「戦艦ポチョムキン」と「ストライキ」というソ連大映画監督エイゼンシュタインサイレント映画を見てきました。ポチョムキンは映画史などで必ず名前が挙がる歴史的な作品ですが、見るのは初めて。しかし、その後の映画に大きな影響を与えたというのは、本当に納得でした。両作品ともに、非常に凝った構図や動きのカットの積み重ねで、そのひとつひとつがどこかで見たようなものばかり。ポチョムキンの階段の虐殺シーンはとくに有名ですが、戦艦の上に水兵が鈴なりに並ぶモブシーンなども宮崎駿のアニメでおなじみな感じです。
昔から名前だけは知ってた作品なので、映画館で見られるこの機会にぜひ、と見に行ったのですが、約100年前の映画とは思えないスケールとダイナミックさと絵づくりの巧みさに驚かされました。逆に行うと、映画の表現ってこの100年間にそんなに進歩してないのかも、とも思ってしまいましたが。

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「オタク」という言葉について

「オタク」という言葉は、僕の編集者としての一番の師匠であるエンドウさんが発明したのだけど、本人から改めて意図を聞いたことはありません。

始めて「オタク」という言葉に接したのは80年代の月刊OUTの『愛はオタクを救う』という巻頭特集でした。その記事によると“オタクとは、会話のときに相手に対する2人称として「キミ」や「アナタ」やその人の名前ではなく「オタク(お宅)」と失礼な言い方を使いがちなコミュニケーション不全なマニア層のこと”みたいな説明が4コマ漫画で説明されていました。

これを読んだときに、「あー、いるかも!」と膝をポンと打ちたくなるほど納得して笑いました。高校生だった当時、アニメファンのセル画交換の現場に行くと、そんな感じの人がチラホラいる感じでした。

その後、(エンドウさんの関係者でもある)宅八郎さんがメディアに登場したりして、オタクがマニアの蔑称として定着しましたが、マンガ・アニメ・ゲームの2次元文化が社会的に広がりを見せると「オタク」の意味もかなり変化してきました。

若い人たちの間では、マンガやアニメがちょっと好きなだけでオタクを自称したり、「リア充」の対義語としてオタクが使われる傾向があるように見え、それに対して、自称真性のオタクたちが、「そんなのはオタクじゃねえ」と怒ってみたり。

■オタクには2種類ある

興味深いのは、アニメ・マンガの2次元系のオタクとアイドル系のオタクでは、同じオタクでもかなり雰囲気が異なること。アニメ・マンガ系のオタクから見ると、騒いだり仲間を作るのが好きなアイドル系のオタクは「パリピ」に見えるかもしれません。

でも、一番大きな変化は、2次元系のオタクも、アイドル系のオタクも、真面目で礼儀正しい人が多いことかなと。アイドルオタクの中でも「厄介」と呼ばれる、現場で大暴れしている連中ですら、ライブが終わるとゴミ拾いしていたりします。

時代が進んで、SNSなどで「マナー違反」に対する圧力が強くなったせいなのか、若い人ほど対人対応がちゃんとしている感があります。

社会的には非常に良いことですし、対人関係でストレスを感じずに済むのはありがたいことですが、自分が喋りたいことを早口で延々とまくしたてるオタクとか、なんか妙に偉そうでぶっきらぼうでイジワルなオタクとかに会えなくなったのは、ちょっとだけ寂しい気もします

父兄だらけのワンダフルナイト

昨夜はさくら学院ファンによるファンイベント「父兄だらけのワンダフルナイト」に行ってきました。

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さくら学院』というのは「中学を卒業するまで」と期間を限定してハードな課題を次々と与えることで、少女たちがもの凄い勢いで成長し「完全燃焼」する姿を見せるという、ある意味で究極のアイドルユニットです。
 
さくら学院の生徒たちは何をやらせても「ガチ」で、アイドルではありがちな企画も、彼女たちにやらせるとすべてが真剣勝負になってしまう。そんなさくら学院を愛するファン(通称・父兄)もやっぱり「ガチ」で、この日のイベントも当然のようにガチでした。
 
会場のプロジェクターに映されたイベントのロゴからすでに力の入れようがわかります。入場が終わると、さくら学院のライブや公開授業と同じく、オーバーチュアとしてWe Are The In Crowd『Kiss Me Again』がかかり、学校のチャイムでイベント開始です。
 
■なんと抜き打ちテスト!
 
仕掛け人の2人が前説を述べて、「まずは父兄同士でご歓談を……やらせねえよっ!」とこれまた、さくら学院担任の森ハヤシ先生お得意のフレーズとともに、なんと「抜き打ち学年末テスト」が開始!
 
これもさくら学院の恒例行事のひとつで、毎年サプライズでペーパーテストを行って、珍回答を笑い、誰が一番バカかを決めるもので、数々の伝説を残してきました。それを父兄にもやらせちゃおう! という企画で、みんな困惑しつつも喜んでテストに参加していました。
 
望まれるのは珍回答なんですが、制限時間10分の中で、面白いことも書けないので、ここは、さくら学院の成績上位の生徒を見習ってガチに上位を狙って真剣に回答してみました。
 
テスト終了後に本当に飲食しながらご歓談タイムがあって、そのあと、お楽しみの成績発表タイム。僕は残念ながら、1位と1点差で2位。それより、あの時間内にキッチリとボケて珍回答を出せる父兄さんもいて、さすがだなと。また、最後の問題は「推しの似顔絵を描け」というものでしたが、わずか数分で見事な肖像画を描く人もいて、愛を感じました。
 

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■イベントの真意は…
 
ご歓談タイムで話した父兄さんの中には本職の小学校の先生もいて、さくら学院の子たちがいかに規格外かみたいな話もしました。小学校の先生をしていると「お前、前世も人間だったろう」みたいな、2度目の人生を生きているかのような子はやっぱりたまにいるそうです。
 
イベントの最後は、父兄によるバンド『莉音さんバンド』のMVの上映。さくら学院2015年度生徒会長・磯野莉音さんをこよなく愛する人気父兄「なおすけ」さんが、Base Ball Bearの「17歳」を熱唱して18歳の誕生日を迎えた莉音さんを祝福したのですが、これがもうガチで青春してかっこいいMVでした。
 
上映後、『莉音さんバンド』が2年ぶりに再始動することがアナウンスされ、「実はMV作ったらあまりに良くできたので、それを見て欲しくて今回のイベントを企画しました。申し訳ありませんでした」と、きっちりオチも付けて終了。
 
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■莉音さんバンドとは
 
磯野莉音さんは幼稚園の頃から芸能活動をして、パナソニックのビデオカムのCMにも出たりしたのち、さくら学院に入りましたが、「常識がなくて会話もできない宇宙人」扱いでした。
 
そんな彼女が、初期の人気メンバー(武藤彩未三吉彩花松井愛莉、BABYMETALの3人など)がすべて卒業してしまって今後が危ぶまれていた『さくら学院』の2015年度生徒会長に就任しました。
 
すると別人のように素晴らしいリーダーシップを発揮して、過去最高のさくら学院を作り上げたあげくに、「私は自分がステージで輝くより、誰よりも後輩たちをステージの上で輝かせる自信がある」と舞台監督を目指すためにアッサリ芸能界を引退してしまいました。
 
なおすけさんは、そんな莉音さんを、彼女が生徒会長になる前から、ずっと熱烈に応援し続けて、Twitterやライブ会場で日夜、不器用な愛を表現し続けて、父兄界隈の人気者になりました。
 
■大人の遊びとして
 
莉音さん卒業&引退後の2016年に、なおすけさんをフィーチャーして『莉音さんバンド』が結成され、そのライブイベントとして下北沢のライブハウスで「父兄祭」が開催されました。
さまざまな曲を下手くそながらも熱唱して、莉音さんへの無償の愛を表現するなおすけさんは、本当に「ロック」でした。
 
「なおすけさんはロックである」というのは、アイドル好きというよりも音楽好き、ロック好きが多い父兄界隈ではひとつの共通認識となり、「父兄祭」は神イベントとして記憶に残ることになりました。
 
さらに奇跡が起きて、芸能界を引退したはずの莉音さんが、さくら学院の公式ブログに降臨して、イベントをやってくれたことを知っている、ありがとうと述べたのです。
 
あれから2年。アイドルオタクがファン活動の表現手段として、本格的なインディーズバンドをやってしまうという、大人の遊びとして最高に面白い『莉音さんバンド』の今後に、ちょっとワクワクしています。
 
 

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